最新のリフト事情
ディタッチャブル 高速6人乗り(8人乗り)
■今のスタンダードは6人乗り
6〜8人乗りにすべきメインの理由はメンテナンスコストです。
これらの高速リフトはディタッチャブルと言われ、乗り場と降り場で一度ワイヤーのグリップを解除し、乗り場と降り場でゆっくりにして、人が乗り降りした後、またワイヤーをグリップして行きます。
その圧搾グリップのメンテナンスの個数を減らすことができるので、2人乗り〜4人乗り、そして今は6人乗り、8人乗りと進化してきました。
■8人乗りのデメリットも?
8人乗りのリフトで快適に乗り降りするためには、乗り場と降り場のスペースと工夫が必要になります。
現状、使いやすいのは6人乗りではないでしょうか。
■輸送人数は?
1時間あたりの輸送人数は、チェアの数(もしくはチェア同士の間隔)にもよりますが、1800人/h〜3000人/hで、4人乗りとそんなに差はありません。別に6人乗り、8人乗りにしたからといって大量輸送ができるわけではないようです。
とはいえ、日本のスキー・スノーボーダーがほとんど乗ったことのない6人乗り、8人乗り、早く日本のスキー場にもたくさんかかってほしいですね。
■デザイン性
LST社(フランス)の6人乗りリフトは「ポルシェデザイン」を採用しており、とてもスタイリッシュです。
背中面に刺繍でロゴを入れることも可能です。
シートヒーター付きなどもあるようですよ。
LST社はもう一つ面白いリフトがあり、乗って移動している間(乗り場・降り場以外)に、チェアが横45度向くシステムです。乗っている間、真正面ではなく、斜め前を見ながら上がっていけます。(上の写真)
■コスト
やはりディタッチャブル(高速タイプ)はコストが高くなります。
参考までにですが、MNDグループのLSTのリフトだと、6人乗りで1500mで概算ですが、8億円前後(仕様によります)。
建設費用抜きの価格なので、ヨーロッパでは30%程度見込むようですが、日本だともう少し高くなるかもしれません。
■テレミックス
ゴンドラのページに詳しく書きますが、リフトとゴンドラのミックス(同じロープに両方が回ってくるタイプ)のテレミックスと言われる新しい手法も増えてきています。
子供や初心者はゴンドラ、スキー・スノーボーダーは脱がなくて良いリフト、と同じリフトで皆が安全にリフトに乗れます。
夏にゴンドラだけ動かすことも可能なので、スキー場としてもメリットが多いと思われます。
★固定式リフト
■主に4人乗り
固定式とは、乗り場・降り場で速度が変更しない、固定スピードのリフトです。英語ではFIXED(フィックスト・リフト)と言われています。
■固定式のメリット
ズバリコストです。
建設コストがディタッチャブルの20%〜30%です。
乗り場でスピードを落とさないため、全体的なスピードを上げることができません。(あまりスピードを上げすぎるとヒザカックンになります。みなさん経験あると思いますが・・・)
コスト的には概算2億円〜4億円でできるようです。
■固定式のデメリット
そして固定式リフトのデメリットはスピードです。
長い距離になればなるほど、時間がかかってしまうのです。
■デメリットの解決方法がある!
固定式リフトでもスピードアップをして、輸送人数を増やす方法があります。それは乗り場にムービングペルトをつけることです。
乗り場で乗る人自体をスピードアップし、リフトに合わせるという方法が可能です。
■既存の固定のアップグレード!
既存の固定式リフトに、ムービングベルトを追加設置することで、アップグレードすることも可能になります。
しかしスピードコントロールがデジタルかアナログかで、調整が難しい場合もあり、全てのリフトに追加設置可能ではない場合があります。
この乗り場のムービングベルトは、追加の設置で概算1200万円程度です。
しかしコストの安さなどで、スキー場にとってはメリットのあるかもしれません。固定の方がメンテナンスコストが安いですし、速くなればお客さんの満足度も上がりますし。